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田んぼの授業再開の契機に 福大「おかわり農園」

2018.05.16

 福島県産米のブランド回復などに取り組む、国立大学法人福島大学小山良太教授ゼミナールの「おかわり農園」プロジェクトは13日、福島市内の小学生児童と田植えを行いました。児童達の食農教育や福島の安全性のPRに向け、プロジェクトでは初めて児童たちとの田植えを実施。10月には稲刈りも行う予定です。関係者は、平成23年の東京電力第一原子力発電所事故以降、市内の小学校で中止となっている「総合的な学習の時間」での田んぼの授業再開に向け、今回を契機としたい考えです。
 これまで福島市内の小学校では、地元の生産者の協力を受け田植えや稲刈りを体験する田んぼの授業を実施してきました。原発事故から7年が経過した現在も、子どもの屋外での活動に不安を抱える親も多く、同授業は再開していません。
 地域活性化や子どもの育成に取り組むNPO法人アイカラー福島は、昨年から、福島の子ども達が農産物を学ぶ「『あがらっしゃい!』ふくしまのおいしい発信!」事業を始めました。その全行程を小山教授が監修したのがきっかけで、今回の田植え交流につながりました。
 田植えは、福島市松川町にある「おかわり農園」の田んぼで実施。児童や大学生、市やJA関係者など約80人が参加し、約10aの田んぼにコシヒカリの苗を手植えしました。
 参加した子ども達は「裸足で田んぼに入る感触が気持ち悪かったけど、途中から楽しくなった。収穫が楽しみ」と話していました。
 小山教授は「小学校で地元の農業に全く触れる機会を持たないと、今後、地元の農業に関心を持ちづらくなる。今回の田植えが田んぼの授業再開のきっかけになれば」と期待しています。

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