福島県伊達市は27日、市役所で「データ駆動型スマート農業事例報告会」を開きました。市と当JAなどが進める取り組みの実績と課題を共有し、科学的なデータ活用による次世代の農業モデルを提示しました。会場には生産者や関係者ら約100人が集まり、高い関心が寄せられました。
須田博行市長は「スマート農業は地域農業の発展だけでなく、若い世代の農業への関心喚起など、様々な相乗効果に期待している」とあいさつ。デジタル技術を武器に、持続可能な地域農業の構築を急ぐ考えを強調しました。
同市は農業者の高齢化や人手不足を背景に、デジタル技術による高収益化を目指しています。高知県の高知大学IoP共創センターの協力を得て、2025年度からは市内のキュウリとイチゴ農家計20戸で環境測定装置を用いた実証事業を展開しています。
報告会では、高知大学の岡林俊宏特任准教授が登壇。「データは単に見るものではなく、課題解決に向けた仮説と検証を繰り返すためのツールだ」と説きました。さらに「農業は過度な投資ではなく、今日より明日、一歩だけ工夫することが大切」と語り、データに基づく丁寧な環境管理の重要性を強調しました。
現場の実践報告では、イチゴ生産者の菅野慎一さんが「イチゴスタディクラブ」の活動を紹介。他者のハウス環境と自らのデータを比較することで栽培技術の見直しにつながり、地域全体のレベルアップに寄与していると実感を語りました。キュウリ生産者の浅野信二さんも、実証を通じた栽培の最適化で、品質向上や省力化への期待を寄せました。
指導する立場の同JA伊達地区本部の大橋一斗営農指導員は、巡回指導において個々のハウスデータを確認することで、より具体的で専門的な助言が可能になったと利点を挙げました。
市とJAは、今後も環境測定装置の普及をさらに進める方針です。データの活用は、新規就農者の技術習得を早め、気候変動や資材高騰という厳しい経営環境の中での安定化に寄与すると期待されています。







